Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり
No.031
ゆたかな日常
これにより
外気浴や日光浴を楽しめるだけでなく、日常的な生活とは違う高さの景色が広がることで、屋上に上がりたくなり、運動や花の手入れなどへの意欲の連鎖につながっていく。
その背景には
結果的にできてしまっただけの屋上は、安全上の管理だけが目立ち、常に閉鎖されていて使われない。
- 物理的には建物の平面形がすべて利用できるので、屋上スペースの広さには大きな制約はないが、設備機器の設置スペースとして使われることが多い。
- 法規的な制約や、建設条件によってエレベーター・階段が設けられない。
- 太陽光や風など自然の影響をまともに受ける場所である。
こんな風に
屋上は外気と日差しを浴びる他に、屋上だからできるイベントのための貴重な場所である。屋上ならではのイベントなど特別な使い方をすることは、入居者の日々の暮らしを楽しく活動的なものにすることができる。
イベントでなくても、園芸や足湯など「何かができる」場所であれば、目的を持って訪れることで自然と外気浴や日光浴によって気晴らしが行える。
必要なのは、屋上にテーマを持たせること。
7月はビアガーデンや花火観賞、9月はお月見など、様々な企画が考えられる。
日常的には、身体のための散歩や気晴らしなど、入居者が思い思いに過ごすことができる場所となる。
イベントができる広場としてだけではなく、足湯や花壇、散策の場など、目的を持った使い方ができる。
単に見晴らしが良いだけの屋上でも、歩行器を使う入居者が花や景色を眺めながら散歩ができるなど、意欲につながる目的を見出すことが可能である。
実践例
グランダ常盤台 屋上