Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり

No.032
ゆたかな日常

ギャラリーとして使える

Space as a gallery

廊下の廊は、画廊の廊。

ギャラリーとして使える

これにより

日々の生活の中で、絵やオブジェから生活の様子や人々の創作意欲、感受性が感じられて楽しいとともに、生活の温かさが感じられる。

その背景には

大きな壁が連なる場所は、そこに居るのも移動するのも退屈だ。一方で、その壁に何でも自由に貼ってしまうのは見苦しい。
  • アイコン ホームは小さい面積に区画された部屋の集合体であり、部屋と部屋をつなぐ長い廊下が生まれる。
  • アイコン 居室からダイニング、またはティールームなどの共用室へは長い廊下を通り、エレベーターで上下移動して行かねばならない。
  • アイコン 飾り方のルールを持たないと、乱雑な貼りものとなってしまう。

こんな風に

廊下をギャラリーとして利用することは、ホームの生活に係る人々の創造性がもっとも活かされるパターンである。そこが見慣れた風景であっても、飾られた様々な作品やオブジェが目印となったり、想像力を膨らませたり、時には「ものがたり」を語り始めるきっかけになったりする。季節毎や定期的な模様替えにより変化を持たせることもできる。

また、廊下を通る時に作品を前にして、ホームで生活する人の間で話題となり、作品を提供した入居者にとっては自分の趣味や特技を自慢できる至福の時間が得られる。普段無口な人がその時はおしゃべりになるなど、人々の間で色々なコミュニケーションが生まれる。

毎日往来する廊下の壁を使ってアート品やアクティビティの成果を展示する。
廊下の窪みを利用して展示コーナーをつくる。廊下幅に余裕がある場合は木製スクリーンなどで仕切って展示スペースを設ける。
乱雑に貼らないように、飾り方のルールを決める。
飾るものはアート品、タペストリー、アクティビティの成果品から、近隣で咲いている植物の解説写真など、幅広く考える。
季節の花に関するものを季節毎に変えて飾ったり、絵画を変えたりして変化を持たせる。
展示物にスポット照明を当てたり、壁一面を明るくしたりと、工夫した照明計画を行う。

実践例