Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり

No.057
チャンス

自発支援

Encouraging spontaneous efforts

その方の「できる」に注目し、
「やりたい」ことを
「やれる」ように。

自発支援

これにより

自分でできることに気付き、思い出し、さらに協働して行うことで生活の中に役割を得る。皆に何かをしてあげられることに喜びを見出し、日々の生活が楽しくなっていく。

その背景には

人に頼りきりになったり、できないことが多かったりすると意気消沈してしまう。
  • アイコン 加齢や病気を持つことが、やろうという気持ちにブレーキをかける。
  • アイコン 実際にはやれることなのに、いつも人にやってもらっているとそれに慣れてしまう。
  • アイコン やり遂げた時の達成感は人を元気にするのに、そのチャンスが得られない。

こんな風に

食事の準備、片づけ、洗い物から、掃除、洗濯、菜園での作業、畑仕事など、日常生活の幅広いシーンの中で、その方ができることを普通に行えるよう場所を用意する。そうすることで、自分でできることから、自分の好きなもの/方法/スタイルを自由に選ぶことができ、人に遠慮せず気兼ねない生活を送ることができる。入居者同士や家族に対して、何かをしてあげることで社会の中での役割を発見することができ、喜びを見出せる。

やりたい気持ちを叶えることで、「やりたい」の連鎖が生まれ、入居者、スタッフ、家族の気持ちも変わっていき、単調な生活にメリハリが生まれていく。

キッチン:リビングやティールームには自由に使えるキッチンを設ける。車椅子を使う人を含めて様々な状態の入居者が使用できるよう、キッチン・スペースの広さ/幅を取り、カウンター/水栓の高さに配慮する。カウンターは広く取り、お茶入りポット、湯のみ、炊飯ジャーなどの配置もあらかじめ検討する。
洗濯コーナー:業務用洗濯室とは別に自由に使える洗濯機/乾燥機を用意する。業務用洗濯室内に入居者用の場所を設ける方法もある。
菜園/畑:車椅子の移動ができるよう歩道の幅を取り舗装に配慮する。作業中に休憩できるベンチや小さな広場を設ける。
その他:ドレッサーでご自身を装うなど、その方らしい生き方を気付かせてくれる様々な仕掛けを用意する。