Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり

No.030
ゆたかな日常

ライブラリースペース

Library space

自由に書物と戯れたいし、
人とも出会いたい。

ライブラリースペース

これにより

図書館を訪れるような、自由に書物を閲覧できる楽しみを提供する。書物が蓄積され、個人が所有していた書物が残されていき、皆で共 有できるものとなる。

その背景には

人類の英知は身近な書物の中に十分に記述されているが、自分が所有できる書物の量には限りがある。
  • アイコン 書物を共有するために図書館=ライブラリーが生まれた。ライブラリーは知とともに、知を求める友人を得る場所でもある。
  • アイコン 書物を通して私たちの想念は時間や場所を超えて広がっていく。読むことに没頭することで、そこが自分の場所、時間になる。
  • アイコン 知的な行為の衝動にかられるような、静的な場所・時間が失われてしまう。

こんな風に

パソコンにログインして得られる情報は膨大であるが、果たしてインターネットで簡単に得られる情報にはどれほどの価値があるのだろうか。本や雑誌、新聞などの書物は私たちの尽きない好奇心を満たし、余った時間を埋めてくれる。書物があれば、孤独な時間が充実した一人の時間に変化することさえあるが、同時に書物をきっかけに人が集まり、話題や関心事、趣味を共有することもできる。

書物は人類の長い歴史の中で知を記録し、伝えてきた。遠く、アレクサンドリアの図書館に思いを馳せ、生活の中で知と友を求めることができる場所を用意する。書を手にとって読みたくなるというきっかけから、一人でゆっくり過ごすだけでなく、その場所で友人と話をしながらひと時を過ごすのもよい。

本棚と椅子やソファーを置いて、自由に書物を閲覧できる場所をつくる。
リビングや廊下、ラウンジの一部に本棚と椅子、ソファーを置き、ゆっくり座って本を読める雰囲気をつくる。
廊下など、共用部の一部をライブラリーとする場合、木製スクリーンで仕切ることで落ち着ける雰囲気になるが、設置場所が奥まり過ぎると利用しづらくなる。
本の入れ替えが定期的に行われると、本が好きな入居者は集まりやすい。地域の図書館と連携して蔵書の定期的な更新や入れ替えを行う方法も一つである。
特に昔を懐かしめる昭和誌や、まちの歴史の写真集は人気がある。

実践例

まどか川口芝

まどか川口芝 ライブラリー

グランダ元住吉

グランダ元住吉 ティールーム