ひとっていいな
凸凸凹凸Unevenness of space.
出っ張りとへこみの協奏
こどもたちは、0歳児で入園してから卒園まで、一つの建物の限られたスペースで一日一日を過ごします。
その状況において
保育室の形を建物として最初からつくり込んでしまうと、成長や活動に合わせてスペースを変化させることが難しくなります。
- 単にだだっ広い場所ではよりどころがなく、かつ自分の居場所を見つけることが難しいものです。
- そもそも建物は、建築基準法で定められた大人の身体スケールに合わせてつくられています。
- 行く手に凸があると走りません。凹があるとこもってじっとしたくなります。
そこで
保育室はなるべくシンプルな設計にして、家具や備品をうまくレイアウトし、凸凹な空間ができるように工夫しましょう。
- 建物の凸凹をうまく活用し、そこに家具のレイアウトを加えて、こどもが落ち着ける環境や、絵本コーナーをつくりましょう。
- 凸は動きがぶつかるもの、凹は動きを包んで落ち着かせるものと考えて、組み合わせを考えましょう。
- 例えば、奥行きがあって扉がないような収納スペースを、絵本コーナーやこもって遊べるような空間や、読み聞かせの時に座る場所などに利用しましょう。
- 平面の工夫だけでなく、天井の高さも変化させましょう。天蓋を用いて天井を低くすることで、こどもにとって落ち着いた、居心地のいい空間をつくります。
- 定期的に棚の位置などを振り返り、レイアウト変更を検討しましょう。季節ごとの装飾の変更時は振り返りの絶好のタイミングです。
そうすると
凸凹をうまく組み合わせることで、家や部屋らしくなり、均質的ではなくバリエーション豊かな空間が生まれます。こどもが長い時間を過ごす保育園の中で、自分が落ち着ける場所を持つことで、安心して過ごすことができます。