Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり
No.044
目的のいらない場所
これにより
窪んでいる、あるいは、見え隠れする格子スクリーンに囲われて、周りから少し距離を置いて過ごせる場所ができる。
その背景には
均一かつ効率的で、余計なスペースをつくらないプランでは、見通しが良いだけのまっすぐで味気ない場所となる。
- 必要な場所や空間だけで構成されていると、逃げや遊びがなく息苦しく感じる。
- 場所や空間のつながりが広さ/狭さや明るさで表現されると、空間に奥行きが出る。
- 人が移動する空間に対して、居場所をつくることができない。
こんな風に
他の人々が集まる場所から少し離れて、なおかつ周りからの視線が遮られて気にならず、一人で過ごせる場所ができる。そこでは完全に一人になる訳ではなく、『人の気配』を感じていられる。
その一方で、人がよく通りかかる場所にもできるので、そこでひと時を過ごす入居者にどんどん声がかかりやすく、ちょっとした賑わいの雰囲気を演出できる。
壁や格子スクリーンなどで二~三方を囲われ、椅子を2脚ほど置ける小さなスペースをつくる。
エントランスや廊下の窪みを利用してソファーを置くことで、周りの視線を気にせず落ち着いて話ができる雰囲気になる。
格子スクリーンなどの目隠しを取り付けることで『人の気配』を感じられる雰囲気にもなり、狭く囲われた、静かで落ち着いた場所となる。
スポット照明で空間の一角を照らし出し、場所の存在を主張する。あるいは、空間の一角をダウンライト照明のみとすることにより照度を落として、落ちついた雰囲気とする。
実践例
グランダ町田 廊下
メディカルホームグランダ塩釜口 ダイニングルーム兼機能訓練室