Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり

No.045
目的のいらない場所

よりみちポケット

A pocket space

ふと立ち寄れるような仕掛け。

よりみちポケット

これにより

場所から場所へ移動する途中、よりみちのように訪れてひと時を過ごしたくなる。

その背景には

廊下がただ目的地に導く場所であるなら、日々その行き来を繰り返すだけの生活になってしまう。
  • アイコン 実は、ホームには何となく立ち寄れるような場所があまり無い。
  • アイコン しっかりとした目的に沿ってつくられた場所は、ふらっと立ち寄るには堅苦しく感じて居づらいこともある。
  • アイコン 一人で過ごすのにうってつけの場所とは、椅子1脚が置けるほどの小さいポケットのような空間である。

こんな風に

廊下やホールはそのままでは単に行き来するだけの通過空間だが、椅子やソファーを置いたり、加えてブックシェルフや装飾品を置いたりすることで、立ち止まったり、座って一息入れたり、入居者同士で会話に花を咲かせたりする場となる。

他にも居室清掃やシーツ交換時の待機の場、認知症のある人が気持ちを落ち着かせるためにひと時を過ごす場所になる。

日々行き来する中の思いがけない場所に、ふと立ち寄れるように椅子やテーブルを置く。
廊下、エントランスやダイニング、浴室前などの脇や端っこで、動線上のコブとなるような場所に仕掛ける。
エントランスの一角に椅子やベンチを置く場合には、タクシー待ちの間腰掛ける、ただ単に外を眺める、受付スタッフと話をするなど様々に活用される。
装飾や観葉植物は定期的に入れ替え変化を持たせることで、よりみちの楽しみが増える。

実践例

アリア代々木上原

アリア代々木上原 エントランスラウンジ