Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり
No.047
スイッチ
これにより
異なる性格の場所同士がつながるところに間を取り、場所を移動する時に自然と気持ちを切り替えることができる。しばらくそこに留まってもよい。
その背景には
例えば、食事の後の余韻に浸りたいのに、居室までまっすぐ帰るのはつまらない。
- 場所や空間は平面図の上では一本の線で区切られるが、実際には体の移動とともに視線や建築材料に対する感覚の移動が伴う。
- 内外という境目と同時に、プライベートとパブリックの間の移動を伴う。
- 用途により仕上げ材料や照明、空調設備の内容も変わる。
こんな風に
場所や空間を移動する時、行為や営みも変化する。一つの行為を終えて気分を新たにする時や、何かの目的を持って移動する時、次はどこに行こう、これから何が起こるんだろうという期待感が自然とわきでるような空間を大切に表現したい。
部屋と部屋、部屋と廊下をつなぐ場所や、内と外との境界に、余韻を楽しんだり、気分を切り替えたりするための間を設ける。
ラウンジとダイニングの間では扉の位置をどちらかに凹ませて間をつくる。
スペース上の間が取れない場合には扉上にインテリア・キャノピーをつくる、照明方法を連続させるなど、視覚的な間を設ける。
玄関前のスペースならば、落ち着いて過ごすことができ、車椅子を使う人でも一人で出られるように、道路から玄関までの距離を取る。
また、外気に触れて気持ちよく感じたり、タクシー待ちのひと時も穏やかに過ごせたりする、ベンチなどを置くのも効果的。
実践例
リハビリホームボンセジュール大倉山 ラウンジ