Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり
No.026
快適をしかける
これにより
内側に身を置いて、できる限りいっぱい外の風景や空気を感じるとともに、そこにじっとして時間を過ごすことがとても気持ちいい。
その背景には
窓前のスペースを活かさないと、窓は単に建物の内と外を分けるだけの壁の一部になってしまう。
- 居室には建築基準法上、採光と通風のために必要な大きさの窓が求められる。
- 出入りができる掃き出しサッシでは、出入りの行動に重きが置かれて、動線用のスペースになりがちである。
- 窓際は部屋の外周に当たるため、建築としてつくり込む場合は部屋全体のレイアウトなどを入念に検討しなければデッドスペースとなってしまう。
こんな風に
窓際の空間は、内側に居て外をたっぷり感じることができる魅力的な場所である。例えば、内外が溶け合う縁側では、風景を愛でながらゆったりとした時間を過ごせる。出窓の場合は、ベンチシートを置けば窓際でお茶や食事を楽しめる場所が創出できる。
窓際では、外を眺めて一人じっと想いにふけることができるので、一人の空間として使えるようにつくることが大切である。同時に、庭や景観を楽しみながら家族や友人と静かなお茶の時間を持つのもよい。
窓の近くにテーブル・椅子を置く、あるいは窓に面したカウンターを設けて、ひと時の時間を過ごせるようにする。
ダイニングやラウンジでは、内外の空間が連続する途中にある開口部・サッシの近くにテーブル・椅子を置いて、窓際の場所をつくり出す。
庭に面したダイニングやラウンジの腰窓は大きいFIX窓として鍵を設けない。窓前にカウンターと椅子を設けるなどして、そこで時間を過ごせるようにつくる。
出窓をつくって、ベンチとテーブルをつくり込むなど、窓際に特別な場所をつくる。奥行きが浅い場合は鉢植えを置くカウンタースペースとしてもよい。