Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり
No.023
内と外
これにより
身体の状態が様々な入居者の誰もが、ふらっと、テラスや庭に出て外気浴や日光浴、栽培などを楽しめる。
その背景には
内部の共用部と同様の広さが外部で確保できるのに、地面の仕上げや開口部の段差などが邪魔をする。
- 内部と外部を仕切るサッシや扉には防水性能や遮音・断熱など環境変化を和らげる仕様が求められる。
- 内部と外部の空間は、身体の移動という観点だけでなく、視線や音のつながりなどを意識するだけでも、近くに感じることができる。
- 移動の途中に障害となるものがあると、希望や期待が叶えられず失望してしまう。
こんな風に
身体の状態にもよるが、外出が困難な入居者がホームでの日常生活において自然を感じられる機会は限られている。外気浴を行う、日差しに当たる、季節の風を感じる、虫の声を聞く、植栽や家庭菜園の栽培を行うなどのためには、テラスや庭に出る必要がある。
開口部はこうした限られた機会を阻害せず、自由な行き来ができるようにつくる必要がある。開口部を大きく取り、内部の部屋を明るく、開放感が感じられるようにつくり、併せて天井から庇にかけて建築的なつくり込みを行うことで、さらに内部と外部の一体感が得られる。
部屋と庭が一体的に感じられるように天井や庇、窓のつくり込みを行う。
車椅子を使用する人も自分で自由に出入りできるように、バリアフリーサッシとする。
庭・テラスに花壇や菜園を設ける、あるいはプランターを置いて、水やりの世話などを通して自然と触れ合う機会を提供する。
部屋から外へ続く天井仕上げは視覚的に有効な方法である。