Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり
No.018
内と外
これにより
大きな開放感が得られ、光や風、景色をたっぷりと感じられるような気持ちいい場所となり、窓いっぱいに外の景色を楽しめる。
その背景には
部屋の用途や配置、外部へのつながりを考慮せず、窓の大きさについて機能以上のメリットを見出せない。
- 建築基準法に必要な最低限の採光や換気量を確保する大きさのサッシを使うと、コストメリットがある。
- 外部空間と内部空間がつながりを持つ場所として用意されていない。
- 大きな窓にはそれに合ったドレープやブラインドが必要であるとともに、夏季の日差しをコントロールしなければならない。
こんな風に
入居者の中には外出する機会が少ない人も多い。そうした入居者が「いつでも外とつながっている」と感じられるようにしたい。
外が感じられるような大きな窓は、開放的な環境をつくり出す。最小限ではなく最大限を検討し、できるだけ大きな窓を設けること。複数あることが望ましいが、ホームの中に1ヵ所あるだけでも生活の場に抑揚を持たせることができる。
居室の窓から外の景色が大きく見られるように、構造的に可能ならばフルハイトサッシとする。風景が壁紙のように感じられ、居室にいても外とのつながりを強く感じられる。
庭に面した共用部は天井を高く取り、フルハイトサッシとして庭続きの風景を切り取り、開放感を持たせる。
ダイニングなどの広い空間では、窓を水平に連続させて自慢の景色や近くの『借景』を存分に楽しめるようにする。
風景だけでなく、たくさんの陽光を取り入れて、気持ちの良い空間をつくる。
実践例
成城歐林邸 エントランスラウンジ