Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり

No.039
距離感/間

回り込んだ廊下

A corridor

見る・見られるが、日常風景になる。

回り込んだ廊下

これにより

中庭越しに向こうの廊下の様子が見えたり、フロアを超えて人の気配を感じたりすることができる。

その背景には

中廊下型プランは合理的で、面積効率や移動効率が良いが、交流が生じない。
  • アイコン 動線上必要なだけの空間になってしまう。
  • アイコン 回廊形式のプランでは中庭ができて、自然光や風などを取り入れることが可能である。
  • アイコン 建物階数が高くなりすぎると、中庭を囲む回廊が切り立った壁になり、十分な光や風も入らなくなる。

こんな風に

中庭を囲う廊下には自然光が入って明るく、他のフロアの様子をお互いに見ることができ、どこにいても人の気配を感じることができる。回廊を中庭に面したつくりとし、中庭は自由に出入りできることで、お互いが他のフロアの雰囲気を感じることができる。

一方で、回廊形式のプランは動線が長くなり、スタッフが居室を回る時間に影響が出ることに注意しなければならない。ゾーニング上も片廊下形式となるので、面積効率が低いプランとなる。これらのデメリット面を考慮してもなお、適度なスケール感を持つ中庭が得られ、経済条件にも合致する平面計画が可能な場合は、回廊形式は是非チャレンジしたいプランである。

ロの字型のプランにして、廊下やラウンジなどの共用室が中庭を取り囲む。
中庭の縦横のサイズと建物高さの比率は重要である。十分な日差しが入り、余裕が感じられる中庭のプロポーションとする。
1階を中庭として植栽やベンチをつくり、廊下やラウンジとつなげて楽しく利用できる場所にする。
中庭は建物に囲われた人口的な環境となるため、瑞々しい緑のプランターを多く置きたい。中央に1本高木を植え、シンボルツリーとしたい。