Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり
No.034
ゆたかな日常
これにより
体格や座る目的が異なる様々な入居者が、自分の目的と、気分に沿った椅子やソファーを選べたり、それに合ったテーブルなどが組み合わされたりする。
その背景には
誰が使ってもいいように用意された一つの種類の家具では、場所の性格付けはおろか、気分や気持ちに寄りそえない。
- 部屋にある家具の種類が少ないと、部屋の使い方、雰囲気がそれらに規定されてしまう。
- ただ単に多くの種類の椅子を置くだけでは、バラバラで統一感がなくなってしまう。
- 部屋間で家具を取り替えると、インテリアの趣旨が崩れるだけでなく、ファシリティ管理ができなくなる。
こんな風に
食事の時に背筋を伸ばして座る肘掛椅子、クッションが効いて長時間座っていられるソファー、ゆっくり寝そべるように座れるイージーチェア、皆で一緒に腰掛けて何かを行うベンチなど、椅子の形や種類、用途は多種多様であり、私たちは目的と気分に合わせて選んで座る。
部屋の使用目的が限られていない共用室においては、様々なシーンで利用するために、計画的に椅子やテーブルなどのバリエーションを多く用意したい。
形や種類、そして色柄が違う椅子を用意する。
一つの部屋に数種類の椅子を置く時、ずらりと壁一列に置いてしまうと、数合わせのために揃えたという雑多で配慮のない印象を与えるため、使わない時の置き場所と置き方を決めておく。
その部屋に「必要とされる椅子」を「目的に応じた場所」に置き、テーブルや照明器具などと一緒に整った雰囲気を保つことに配慮する。
椅子の形や機能に加えて、フレームの素材、布地の色柄に配慮して明るく楽しげな雰囲気の演出を行う。
実践例
アリア恵比寿南 エントランスラウンジ
メディカルホームグランダ岡本 ティールーム