Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり

No.035
ゆたかな日常

花で彩る

Decorating flowers

「ある」と「ない」では、全然違う。

花で彩る

これにより

色とりどりの生花は美しく目を楽しませ、季節の移り変わりや華やいだ気分を感じることができ、芳醇な香りで生活の様々なシーンを豊かに彩る。

その背景には

身近に花を置かない人は、花があることで得られる生活の彩り、華やかさ、美しさを愛でる気持ちを失っていることに気付かない。
  • アイコン 花はどんなものより美しい色彩を持ち、季節を表現する。
  • アイコン たとえ一輪の花でも、半径数メートルの範囲の空気を変えるなど、環境に与える影響力は絶大である。
  • アイコン 生花は、数日後には枯れて朽ちていくことで存在価値を生む。

こんな風に

綺麗に活けられた花を見ると、「きれいね」「生のお花はいいわね」「このお花の名前は何?」などの会話が自然とはじまる。週替わりなど定期的に花を活けておく。

人通りが多く、ホームの中心に近いエントランスホールに置いた花は、訪問者を 温かく迎えるとともに、入居者にとっては毎日見ることができて生活の喜びとなる。ホームで栽培している花を摘んで活ける、寄せ植えを行う、またダイニングやリビングのテーブルに一輪ざしを置くなど、花の飾り方を工夫することでホームをいっそう華やいだ雰囲気にする。

花には自然と目が行ってしまうため、置く高さや場所に気を配ると、下ばかり向いている入居者の視線の高さを高くすることができる。

花を活ける花瓶の大きさに合わせて、置き台となる家具や壁面のつくり付け棚などを計画する。
庭の花壇は地面に設ける他に、車椅子を使用する人が栽培できる高さにも花壇を設ける。
玄関先のアプローチに花壇やプランターを置くことで、来訪者を歓迎する気持ちが表出される。入居者が散歩の際に楽しむこともできる。
質の高いフェイクフラワーやフェイクグリーンを効果的に用いる。