本物に触れる
本物に触れるDelicate, fragile and powerful thing.
繊細で壊れやすく、かつ力強いもの
身近なもの/ことから手の届かない稀有なものまで、本物に触れる機会がないと、その良さや本質がわかりません。
その状況において
集団生活の効率性や、壊れた時の交換のしやすさを考慮して、ついつい大量生産品を使ってしまいます。
- 本物が出来上がるまでには、多くの時間や人の手がかかっています。それを見たり、触れたりするのにも同様に、手間と時間と、それなりの費用がかかります。
- 本物は繊細で壊れやすいという意識から、壊してしまわないかと心配になって、こどもの身近に置いてもらえません。
- 音楽や美術は、教える“科目”として捉えられがちですが、十分に触れる機会があって、本物に値する表現ができるようになります。
そこで
生活の中に本物を置く、本物を使う、本物から習える機会を持つと同時に、それらの価値と大切さを伝えましょう。
- 季節の花や生き物は、身近にある生きた本物です。水遣りや水の交換をしないと枯れて死んでいくため、繊細な心遣いを知ることができます。
- 丁寧に扱わないと壊れてしまう陶器の食器を使うことで、食の大切さや、食事をつくる人の手間や気遣いがより一層伝わってきます。
- プロの演奏者が奏でる音楽は心に響いて、自然とその旋律を自分で奏でたくなります。
- 周りの大人だって本物です。警察官や消防士に保育園を訪れてもらい、プロの仕事の深さを知る機会をつくります。散歩の時にのぞくお店にもその道のプロがいます。
- 建物の内装や家具にはできる限り木材を用いて、自然の材料に触れられるようにしたいです。
そうすると
幼児のころから本物に繰り返し触れて、その稀有な価値を知ることで、本物を形づくる深い背景を知ることができます。こどもが本物から感じること、心に響くことはそれぞれで違うけれど、本物に触れることを通して豊かな感性を磨いていきます。