Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり

No.002
不安をなくす

誇らしく思える外観

Pride of home’s external appearance

ここで暮らしていることを
知ってもらいたくなる。

誇らしく思える外観

これにより

その土地の歴史性を表して建築的な価値を持つ、あるいは秀でて豪華な佇まいを持ち、誇りに思える。住宅街の風景の中で際立つこともあれば馴染むこともあり、違和感なく「我が家」と呼べる。

その背景には

用途や建築条件により、建物の外観に工夫を凝らすことができない場合がある。
  • アイコン 居室と共用部の配置は、開口部の配置などの規則を通して自然と外観に表れる。
  • アイコン 消防上の避難経路確保などのため、外周に巡るバルコニーが仕切りなく連続すると、いかにも施設といった印象が強くなる。
  • アイコン いわゆる本物の材料を外装に使用していないS造の建物は、素材そのものが表れる木造やRC造より軽い感じがして、古くからその場所にある佇まいが得られない。

こんな風に

建物の外観は、その場所にあった表情を持つことでまち並みや風景となる。

入居者にとってホームは施設ではなく「住まい」であって欲しい。そのためには、ホームは住宅街に違和感なくあること。

また、固有の表情を持つことで個性をアピールする。例えば、以前その場所に古い民家があったなら、その建築意匠を引き継いだり一部の材料を使ったりすることで、建築的な価値を持たせることができる。秀でて豪華な佇まいを入居者は誇りに思え、歴史を受け継いだ建物で暮らすことで豊かな気持ちになれる。歴史的まち並みを有する地域ならば、景観条例などに従うことで高い意匠性が得られる。

ホームが土地に恥じない外観を持つ時、そのホームは「帰って来る入居者」「会いに来る家族」を誇らしげに迎えてくれる。

立ち姿や素材などの検討をできるだけ具体的に行い、建物だけでなく外構含めての高級感や安心感を創出する。
1階レベルでは、フェンスを巡らすと同時に植栽帯を配置し、緑で囲う。
各戸がベランダを持ち、バルコニーの開口幅や壁面の色調などの工夫を凝らす。
低層の場合は屋根を持ち、瓦葺、ルーバーなど和風の要素を採用する。
局立地の条件によってはレンガ造り、レトロな照明など洋館の要素を採用することも効果的である。
その土地に暮らすイメージを持って周辺をじっくりと観察する。

実践例