Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり
No.056
ワープ
これにより
火や煙、匂いをきっかけに、昔慣れ親しんだ風景を思い出し、ホームと家族の生活がどこかでつながっていることを感じる。
その背景には
毎日の食事を用意してもらって食べるだけの生活はつまらない。
- そもそも、人生の大半は自分でつくった、もしくは親しみのある人につくってもらった料理を食べて過ごしてきた。
- 自分でもまだまだ料理をつくれる自信はある。
- しかし、料理に参加する場所や調理器具がすぐに使えない。
こんな風に
ホームに入ることで、家庭で普通に行っていたことが何もできなくなった訳ではない。できることをやる機会が減ったのである。
例えば、料理に参加する、料理を振る舞う、洗濯物を畳むなど、入居者が以前普通にしてきたことをホームでも行ってもらう。そうすることで、入居者はできることがまだたくさんあって自分にも役割があり活躍できることを思い起こす。
火を焚いて調理することは五感と食欲に訴える行為で、生きる力につながっていく。
サンマや焼き芋をキッチンや庭で焼く。餃子は皮からつくってネタを包んで焼く。
入居者が料理をつくれる、家事ができるスペースを用意する。
リビングやダイニングにあるキッチンを活用したり、ちょうどいい設備がないホームではポータブルコンロなどを活用したりする。
匂いや音を通して、食事の楽しさや感動が味わえる機会を創出する。
食事の時に厨房で用意されたものを食べるばかりでなく、ダイニングのテーブルや特別に設えられた調理器具を使って目の前で調理されたものを食べるのは、匂いや音、煙を感じて食欲が増進される。
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