Benesse Method 01 高齢者ホームの環境創造を支援する「パターン・ランゲージ」 その方らしさに寄りそった環境づくりの手掛かり

No.037
距離感/間

人の気配

Feeling cared for

一人で居たい。でも、
誰かが近くにいる安心感も得たい。

人の気配

これにより

わざわざ話をしたりせずとも、スタッフなどの姿が見えることで、完全に一人になってしまう孤独感や心配をなくせる。

その背景には

とにかく一人で過ごしたいのに、居室で一人は寂しいし、多くの人たちと過ごすのも嫌な時がある。
  • アイコン スタッフに話を聞いてもらえれば落ち着くのだが、スタッフは仕事に忙しく、ずっと一緒に居てもらう訳にはいかない。
  • アイコン 居室か共用部か、場所の選択が二者択一しかない。
  • アイコン 面積効率を重視したプランでは、共用部に一人で過ごせるような余りのスペースがない。

こんな風に

気分を変えるため、もしくは広いスペースでゆったりした気持ちを味わいたくて、部屋から出て過ごしたい時がある。大勢の中に居たい訳ではないけれど、誰も居なくて一人きりになる不安感は持ちたくない。そんな時、スタッフの気配を感じられれば入居者は安心感が得られるし、そこで人が通り過ぎる時に声をかけて、ひと時話をするものよい。

入居者の気持ちが落ち着かない時に、座る場所があってスタッフの見守りを受けられる、安心感のある空間を用意する。そんな風に、ゆるく仕切られた場所がホーム内のそこかしこにある。

共用部の窪まった空間や、事務所やスタッフがいる場所の近くの隅に、一人掛けソファーを置く。
ソファーや椅子を置いた場所を格子スクリーンで区切るなどして、人が集う場所と緩やかに区切る。
エントランスの一角にベンチを置けば、外の風景や動く景色を眺めて過ごせる。
エントランス、ラウンジ、ダイニングを見渡せる場所であれば、人の往来を眺めつつ新聞や雑誌を読むなど、人の気配を感じながら自分の時間を過ごせる。

実践例

メディカルホームくらら久屋公園

メディカルホームくらら久屋公園 エントランスラウンジ