UPDATE2023/09/01
#新卒人財育成
現在ベネッセスタイルケア アカデミー保育学部では、2023年度新卒入社保育職・学童職を対象に、研修での理論に基づく学びと、日々の保育やOJTを通した実践からの学びをあわせて新卒入社者のみなさんの育成を実施しています。育成のテーマは「仲間と共に育ちあう」。「仲間と共に育ちあう」人財育成とは何か、私たちが大切にしている「その子らしく、伸びていく。」を支える、保育の実践の力をどのように身につけていくのかをご紹介いたします。
保育・学童の仕事は決して一人でできるものではなく、チームの力がかかせない仕事です。一人ひとりの成長とともに、その成長が仲間の成長につながっていきます。私たちは、確かな専門性に裏付けられた保育を実践し、先輩や同僚、同期が互いに高めあっている一体感のあるチームでかかわることができていれば、こどもは安心して自分の個性を伸ばし、「その子らしく、伸びていく。」と考えています。
ベネッセスタイルケア アカデミー保育学部では、この「仲間と共に育ちあう」という考えに基づき、「研修」「保育園・学童クラブでの実践」「育成担当者からのアドバイス・フォロー」を通して、①社会人として仕事をし、力をつけ、成長していくために必要な力 ②こどもの成長・発達、安全・安心のために必要な基礎力を、1年間かけて身につけていきます。
安心して新年度を迎えられるよう、4月の入社式を迎える前の3月から研修プログラムを構築しています。 3月の集合研修は2日間の理論研修と、1日のマナー研修を受講します。 初日は、園長が講師となり、ベネッセの保育で大切にしていることをまとめている「保育の考え方」を使い、理論研修を行います。 実際の保育のエピソードやこどもたちの写真も活用しながら、「保育環境」や「一日の流れ」などの理解をより深めることを行います。 新卒入社者はこのベネッセの保育の考え方を学ぶことで「こどもに寄りそえる保育者になりたい」など、現場で働くことへの期待を高めます。 他にも、保育園や学童クラブで働く時の判断基準や行動のあり方を「ベネッセスタイルケア宣言」研修で学び、「安全衛生基準」の研修ではこどもの命を預かることへの理解を深めるなど、基礎的な知識を学びます。 その後、各保育園・学童クラブでの現場研修を実施した後、3月下旬に集合研修として、マナー研修を受講して新年度を迎えます。 実際に4月から保育園や学童クラブで勤務を始めた時に「あの時研修で学んだことはこういうことだったのか」と、実践をしてから新たに気づくこと・学びが深まることが多いのも本研修の特徴です。
入社1年目の6月と11月には、フォローアップ研修を受講します。 フォローアップ研修(集合研修)では、担当クラスや、保育園の規模などに応じたグループ設定を行い、ディスカッションの時間を設け、日々の業務の共通理解を深められる工夫をしています。これは複数の保育園や学童クラブを運営しているからこそできる研修プログラムです。 互いに成長している喜びを実感しあい、同期から得た学びを日々の業務に活かしていきます。 研修の中で2年目の先輩との交流も行うことで、翌年の自分の姿をイメージできるので、「あんな風になってみたい!」という目標をもつことができ、2年目以降の自身の心がまえにもつながる研修となっています。 その後、日々の現場実践やOJT※1を通して、1年目に求められる基本的な知識やプロフェッショナルとしての専門性を身につけていきます。
このほかにも、有識者を招いてのテーマ別講演会や、園長や拠点長が立案する育成計画に基づいた外部研修などにも参加をしていきます。研修は勤務扱いで、実践を通したスキルの向上とともに、専門性を高める事ができる仕組みとなっています。
※1 on the job training 実際の業務を通じて行う育成方法 指導役である先輩スタッフから業務遂行に必要なスキルや知識をより実践的に学びます
「同期と繋がることができるとても貴重な時間でした。私と同じ悩みや不安を抱えていることを知ることができ、日頃の出来事を共有した際にも共感することが多く、改めて『私は一人ではない』と、心強く感じました。 また、先輩と交流することができたことも心境の変化に繋がりました。同じ職場の先輩も優しく丁寧に教えてくれますが、座学研修では先輩と、よりじっくり話すことができました。 先輩が1年目の時に抱えていた悩みや不安は私と同じであり、その乗り越え方などを知ることができたことは、とても大きかったです。先輩も悩みや挫折を幾度も乗り越えて今があるということを知りました。今後、さまざまな困難にぶつかることがあったとしても、先輩から頂いたアドバイスを取り入れながら、自分もしっかり乗り越えていきたいと思いました。」
フォローアップ研修時の様子
ベネッセスタイルケア アカデミーの「仲間と共に育ちあう」に基づく研修・育成体系。2017年、2018年に新卒の保育職としてベネッセスタイルケアへ入社した、R.Iさん(2017年入社)、S.Iさん(2018年入社)に、「仲間と共に育ちあう」に基づく育成の重要性について、話を聞きました。
R.Iさん:私は、なによりも研修を通じて同期との繋がりができることがとても重要なことだと思います。私自身、入社7年目となった今でも、お互いの近況を報告しあう仲間ができました。また、研修を受講するだけでは、学んだ知識をすぐに実践へ結びつけるのはなかなか難しいこともありましたが、自分の知識や経験が増えるにつれて、徐々に実践に結びつけられるようになりました。これは、新年度が始まる前に集合研修で保育に関する理論を学ぶことができた経験が生きているのではないかと思います。
S.Iさん:3月に新卒研修を受講する中で「社会人としての生活がはじまる」と感じ、自分の中でスイッチを入れて新年度を迎えることができました。振り返ってみれば、社会人としての自覚や覚悟が生まれたのだと思います。研修前は、電話ひとつ取ることにも不安がありましたが、同期同士で学びあうことで、不安を感じることなく、配属後も頑張れたように思います。
「3月の研修があったので不安なく新年度を迎えられました」
R.Iさん:研修を通じて同期との絆を深めあうことができました。1、2年目はお互いにそれぞれの園で仕事をする中での悩みや不安を伝えあったり、園での行事や遊びのアイディアを共有しあいました。3、4年目になってくると、皆、悩みの内容が変わってきて、後輩への伝え方や、こどもにどう接していったらいいかなどのアイディアを出しあい、アドバイスしあえるようになりました。同じ会社で一緒に頑張る仲間がいるからこそ、悩みながら、一緒に先輩として成長できることが、とても嬉しかったです。保育士は四年制大学や短期大学、専門学校などの出身の人がいるので、同期でも年齢や経験にも多様性があっていいなと思います。
S.Iさん:そうですね。私の園では、先輩に同じ歳の人がいました。同年齢だからこそ、些細なことも気軽に相談でき、同期以外にも頼れる存在がいることは本当に心強かったです。同じ園に配属された同期とは、互いに担当しているこどもの年齢が違うので、その都度、情報交換を行い、理解を深めあいました。研修を通じて繋がった同期にも、違う年齢のこどもを担当している同期もいて、お互いの仕事の状況を知ることで、次の保育に活かすことができたと感じます。
同期と歩んできたこれまでを振り返る
R.Iさん:保育の仕事は、20年後のその子への贈り物、だと感じます。生まれてから数カ月のこどもから、就学前までのこどもたちがいて、私たちはその時、その時に応じて、こどもの声や心の声にも耳を傾け、寄りそいます。「やってあげる」って感覚ではないです。もしかしたら「こどもと楽しく遊んでいるだけ」というイメージを持っている方もいらっしゃるのかもしれないのですが、こどもたちの「その子らしく、伸びていく。」を支える、そんな保育を大切にしていけたらと思います。
S.Iさん:保育士は、こどもをいちばんに考える存在です。その子の保護者以外に、いちばん身近にいる大人でもあります。生活の場である保育園は、その子の生活に関する援助やかかわりが本当に大事です。その子の人格が形成される大切な時期にかかわる大人として、私たちも本気で向きあっていけたらと思います。
ベネッセスタイルケア S.Iさん(2018年新卒入社)、R.Iさん(2017年新卒入社)
ベネッセスタイルケア アカデミー保育学部では、「社会人として仕事をし、力をつけ、成長していくために必要な力」「こどもの成長・発達、安全・安心のために必要な基礎力」を、1年間かけて身につけていきます。「保育の考え方研修」、研修での学びをすぐに「実践」できる育成の仕組み、「その子らしく、伸びていく。」保育の質向上の実践を行っている育成者からの「アドバイス・フォロー」。この3つを組み合わせた「仲間と共に育ちあう」研修・育成体系を今後も進化させ、保護者や通っているこどもたちからは「ベネッセの保育園・学童クラブに通ってよかった」と言っていただき、社員一人ひとりが「この会社で働くことで自分も成長し、やりがいを感じられる」好循環を生むことで、「その子らしく、伸びていく。」を支援する人財育成を行ってまいります。
2023.09.01